いつも通っている
某牛丼チェーン店に今日もいった。
すると、いつも目に邪魔なとろい店員がいる。
その店員は50から60歳くらいの男性で。こんな深夜まで働いてリストラでもされたのだろうかという感じのする人だ。
その人は何をやってもとろい。他の店員の学生くらいバイトに怒られることも珍しくない。
時にはあまりにも無様なので他の店員から完全に無視されている日もあったようだ。
そんな店員が今日もいたのだ。
やっぱり今日もとろい。前より幾分マシになったが、物凄く不器用だ。
味噌汁一つ満足に盛れない。メニューの名前を間違えることもしばしばだ。
いつも、なぜこんな人が採用されたのだろうかとよく思う。
だけど、いつもとかわらないはずのその店員が、なぜか今日はカッコよく見えた。
とても不器用だけど、他の店員に負けないくらい一生懸命なんだ。
いや、他の店員より何倍も何倍も一生懸命だ。
仕事は全くできない、他の店員が適当にやってる方が結果だけ見れば絶対マシだ。
でも、あの店員は凄く一生懸命だった。
そんな人を見て、お店で泣きそうになった。
出来ない奴を、能力の低い奴を馬鹿にしつつ、結局何も努力していない自分が浅はかだと思った。
結局俺は何ができるんだろうか、口だけは達者で何もできないし、やっていない。
自分が恥ずかしくなった。俺はあの店員よりもずっとずっとカッコ悪い。
何してんだと思いながら、麻婆ライスを食った。そんな夜だった。