コンサルタントとはいかに?
先日東京ビックサイトに行ってきたわけだが、他でもない合同説明会のためだ。
元より志望業界は決まっていたので、目的は自分の知らない業界を渡り歩くことにより、
自分が目指している道は間違っていないか、他にも可能性が無いかを探すということだった。
様々な業界、会社のブースを回り話を聞きまわったのだが、
やけにコンサルタントという言葉が使われていることが気になった。
例えば、
セブンイレブンジャパンが募集しているOFCという職。
正式名称はオペレーションフィールドカウンセラーというらしいが、
なんのことはない、コンビニでバイトした経験がある人ならわかるが、
たまーに来る店長より偉いマネージャーのことだ。
採用サイトを見てもらえばわかるが、
コンサルティングという言葉を全面に押し出している。
確かに業務内容は店舗の経営を助言する立場であるので、コンサルティングといわれれば、
全く違うだろうともいいがたい。
しかし、何かが違う気がする。
面白いのがJTB。
旅行代理店に行ったことがある人ならばわかるかと思うが、
どこどこへ旅行にいきたいが、と相談すれば、
〜〜といったプランはどうですか?と色々とアドバイスしてくれるだろう。
団体旅行なら保険のアドバイスなど様々な点でサポートしてくれる。
この職務内容をコンサルタントと言ってのけているのだ。
確かに相談してるからコンサルタントなんだろうが、
これも違うような気がする。
このままいくと、
心理カウンセラーも人間コンサルタントと言えそうだし、
野球のコーチすら野球コンサルタントとなりそうだ。
問題はいくつか考えられる。
コンサルタントという言葉の定義が曖昧であること。
コンサルタントという言葉を勘違いして広まってしまったこと。
コンサルタントという言葉自体が進化していること。
そもそもコンサルタントとは何だろうか?
goo辞書を引用させていただくとこうだ。
コンサルタント【consultant】 企業経営・管理の技術などについて,指導・助言をする専門家。相談役。「経営―」
と、あるようにもっと大きな企業経営課題を改善するためのアドバイスをする専門家である、
というのが最も一般的なコンサルタントと言ってよいだろう。
元々コンサルタントの始まりは、
公認会計士や税理士や弁護士と言った財務、法務に関する企業内アドバイザーであった。
それから、IT等の新技術の導入や、企業経営のあり方の急激な変化に対応するには、
企業内でアドバイスするだけでは追いつかず、
外部の専門アドバイザーを雇い、経営課題を解決していくという手法がとられるようになった。
その専門アドバイザーを擁する職種が、コンサルタントという職種であるわけだ。
その専門性は多岐に渡るが、
・企業の漠然とした課題を解決する「戦略コンサルタント」
・企業の経営課題を財務の面から解決する「会計コンサルタント」
・企業の経営課題を情報システムの面から解決する「ITコンサルタント(SI)」
・企業の経営課題を人事の面から解決する「人事コンサルタント」
といった上記の職業をまとめて「コンサルタント職」と呼んだわけだ。
これが始まりであって、今のコンサルタント職の広義ぶりを考えると随分スマートだ。
ここで現在を見てみると、単にヒアリング→アウトプットという流れがあれば
「コンサルタント」という職業であるかのように思えてしまう。
しかし、
話を聞いてそれに答える。
相談されたことに関して、こうじゃないかな?とアドバイスをする。
こんな流れは、通常の社交的な活動を行っている人であれば誰だってやっていることだ。
これをコンサルタントといってしまうならば、
世界中の殆どの人がなにかしらの「コンサルタント」だ。
もっとも現在は空前の「コンサルタント」ブームだ。
コンサルタントと書かれれば、かっこよく聞こえるしやりがいを感じる。
しかし業務内容は殆どコンサルタントと言われるには程遠いものである。
言葉自体は絶えず変わりゆき、進化もすれば退化も絶滅もする生き物である。
したがって、「コンサルタント」という言葉自体が変化を遂げていくことは必然だ。
だが大切なのは「コンサルタント」という言葉の響きではなく本質だ。
その言葉自体に囚われることがないように、しっかりと本質を見抜いていきたいものだ。